ヒルトンホテル広島篇

建築にとって窓は必要不可欠な要素です。窓ガラスの最大の特徴は透明であること。ガラスの向こうが見渡せ、光を室内に取り入れ、さらに断熱性、遮熱性、遮音性、耐火性、防犯性能など様々な機能があります。透明であることから建築物のデザインや質感の演出効果もあります。
日本で一般的に建物の窓にガラスが使われ始めたのは大正時代からです。石﨑本店は日本で建物の窓にガラスが使われ始めた大正時代に創業しました。日本の窓ガラスの普及とともに100年を超えて紡いできた想いが石﨑本店の財産です。

誇りを持って挑み、
最上のおもてなしを
サポート。

2022年秋、世界に名だたるヒルトン・ホテルズ&リゾートが、ついに広島にオープンしました。街の新たなランドマークとなるホテルの美しさを際立たせるのは、光を受けてきらめく大小様々なガラスたち。外装ばかりではなく内装にもふんだんに使用されているガラス製品は、すべて石﨑本店が担当しました。22階建て全420客室に加え、多彩な施設を完備する滞在型ホテル建設の裏側には、どのようなストーリーが潜むのか。ガラスならではの扱いの苦労や施工時の想いを、当時施工管理を担当した製造・施工部の大原課長と振り返ります。

概要

内 容 ヒルトンホテル広島の窓ガラス・内装ガラス等の施工
期 間 2020年6月〜2022年5月
従事社員数 16〜20名
要求事項 安全性・生産性・正確性・品質
CHAPTER-1

ガラス製品が抱える課題と向き合う

「まず私たちに課せられた使命は、施主様の期待に高いレベルで応えることです。それは窓ガラス施工のプロとして、高品質で安全に効率良く請け負った役割と責任を遂行することになります」。ヒルトン広島のようなビックプロジェクトになると、超えるべき課題が連続します。課題の一つひとつ、求められた条件をクリアするために、大原は仲間とともに工夫を重ね、時には施工現場の変革とも言えるチャレンジにも挑みました。
「私たちには創業以来、長い歳月をかけて受け継いできた強い意志があります。『お客様に感動していただける商品を提供する』『その思いをカタチにして社会の役にたちたい』という信念が、私たちが課題に向き合う原動力になります」。

採光・視界のため床から天井までのガラス窓
その反面、省エネ・遮音は従来にない高いレベルを達成
デザイン性や質感を高めるため手すり等にもガラスを使用し、
精密な内装にこだわった
CHAPTER-2

成功へ導く工夫と仲間たちの存在

「まずはスムーズにガラスを運搬するため、専用の一輪車を導入して効率的に作業ができるよう工夫しました。また、ガラスを梱包するパレットも持ち上げに適したものを指定するなど従来より工夫した手法をいくつも取り入れました」。繊細な現場で特例とも言える方法で慎重に作業が行われました。現場ではチームワークも重要な鍵となります。「施工管理者として意識したのは、それぞれに意見や想いを抱くメンバーを尊重しながら最適な方法を選ぶということでした」。一人では持ち上げることも難しいガラスを、仲間たちが一枚一枚丁寧にはめ込んでいきます。全員で試行錯誤しながら挑んだプロジェクトは、スタートから約2年の歳月を経てようやく完成を迎えました。

息を合わせて手作業で施工する様子
浴室は2枚のガラスが一体になっており、表面には特殊な金属膜がコーテイングされ、断熱効果に加え、窓から見える景色は損なうことなく、外側から中は見えなくなっている
CHAPTER-3

建物づくりを通して感動を届けるために

「今回のプロジェクトでは、新しい工法にも挑戦しながら、高いレベルで施工を終えることができました」。安全かつ効率的な作業、さらに製品の品質も高め、当初の要求をすべてクリアしたことでクライアントは非常に喜んでくれたと言います。「今回のプロジェクトに関わらず、私たちは『快適で安全な空間づくり』を礎に、エンドユーザー様が喜んでくださると信じ、その姿を想像しながら誇りを持って日々の業務に臨んでいます。ガラスはもちろん内外装に関わる様々なものを通して建物づくりに携わり、多くの方に感動を届けられるよう、これからも力を尽くしていきます」。